大学の特徴
アメリカの大学
教育ポイント
アメリカでは、教育政策は主に州と地方の学区によって決定されますが、連邦政府も一部の教育政策を規定しています。また、各大学が独自の学位認定システムを設けており、取得した単位や学位によって留学生は他の大学に編入したり、別の学位を追求することが可能です。
大学関連
アメリカには公立大学と私立大学が数千校あり、その中には世界的にも評価の高い名門大学が多数存在します。公立大学は州政府により運営され、私立大学は独立した組織により運営されています。US News & World Reportのランキングでは、ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)などがトップクラスの評価を受けています。
アメリカでは、学士課程、修士課程、博士課程という3つのレベルの教育を提供しています。多くの学部課程は4年制ですが、短期間での卒業や長期間での卒業を選ぶことも可能です。学士課程を修了した学生は、修士課程や博士課程に進むことができます。また、個々の専攻により学位取得に要する期間は異なります。法学、医学、ビジネスなどのプロフェッショナルな学位プログラムは、学士課程の後に数年間の専門教育が必要となります。
アメリカの大学では、多様なカリキュラムとフレキシブルな選択科目制度を通じて、個々の学生の興味やキャリアゴールに合わせた学習が可能です。学生は授業外でも独自の研究を行い、課外活動やクラブ活動に参加することでさまざまな経験を積むことができます。
また、アメリカにはコミュニティカレッジと呼ばれる2年制の大学があり、より実践的な職業教育を受けることができます。これらの学校は公立と私立があり、最終的に取得できる学位は同じです。コミュニティカレッジでは、職業訓練や大学への編入を目指すプログラムが提供されています。
イギリスの大学
教育ポイント
QAA(The Quality Assurance Agency for Higher Education)という機関が厳格に教育品質の審査を行い、その水準が維持されるよう監視しています。
大学関連
イギリスにはUniversity of Buckinghamを除き、約100校のすべてが公立大学です。あらゆる分野で高い質の教育を提供しています。イギリスの大学、特にオックスフォード大学とケンブリッジ大学は、世界的に高い評価を受けています。これらの大学は、その優れた教育と研究により、世界大学ランキングで常にトップに位置しています。
イギリスの大学で、学生は入学時に主専攻を選択し、その専攻に重点を置いた学習を行います。このため、専門的な知識とスキルを早期に習得することが可能です。
イギリスの大学は、ほとんどの学士号プログラムは3年間で、マスターズプログラムは通常1年間、博士号プログラムは通常3年間で、他の多くの国より短いです。この短期間で質の高い教育を受けられるため、時間と費用を節約することができます。ただし、医学・獣医学・建築学などの学部では5年間以上就学が必要なケースもあります。
カナダの大学
教育ポイント
カナダでは、教育は主に各州が管理していますが、国全体の高等教育の基準はCICIC(Canadian Information Centre for International Credentials)によって提供されています。
カナダは、教育品質と留学生保護について非常に厳格な基準を設けており、大学はしっかりと評価・認定されたプログラムを提供しています。
大学関連
カナダにはパブリック(公立)とプライベート(私立)の大学が存在し、その数は約100校です。これらの大学は世界的にも評価が高く、教育と研究の質で広く認められています。例えば、QS World University Rankingsでは、トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学、マギル大学などが高い評価を受けています。
カナダの大学では、学士(4年制)、修士(1-2年制)、博士(3-5年制)の各レベルの教育を提供しています。専門分野によりますが、教育学、法学、工学は通常4年、医学、薬学、獣医学は通常5-6年かかります。また、大学では、学生が自分自身の学びを深めるために、自由選択の科目や研究プロジェクト、インターンシップなどを選ぶ機会が提供されています。一部のプログラムでは、実務経験の一部としてのインターンシップや共同研究など、業界との緊密な関連性が求められます。
オーストラリアの大学
教育ポイント
オーストラリアの連邦政府が教育政策全般を統括しています。また、AQF(Australia Qualification Framework)というシステムを通して、すでに取得した単位、学位、資格に認定されれば柔軟に編入学や進学ができます。その上、留学生の受け入れと保護のため、ESOS(The Education Services for Overseas Students Act)という国家法やCRICOS(Commonwealth Resister of Institutions and Courses for Overseas Students)制度を設置しています。
大学関連
オーストラリアには私立大学2校と国公立大学40校で、2つの海外大学の分校があります。国公立大学は、州政府が運営していることが多く、私立大学は独立した法人が運営しています。これらの大学は、世界でもトップレベルの大学の一部であり、教育や研究において高い評価を受けています。例えば、QS World University Rankingsによれば、オーストラリア国内で最高ランクの大学は、メルボルン大学やシドニー大学、クイーンズランド大学などがあります。
オーストラリアでは、学部、大学院、博士課程という3つのレベルの教育を提供しています。大学の学部課程は原則3年制で、他国の4年生大学を卒業した事と同等の学位となります。最短3年間で大学から卒業できるので、ある程度の留学費用を抑えることができるでしょう。3年間の学士課程を優秀な成績で修了した学生は、1年間の専門研究コース(Honours)に進むことができます。学位取得に要する期間は専攻によって異なり、教育学部・法学部・工学部は4年、建築・歯学・獣医学は5年、医学部は6年かかります。それに、トピックや科目を選んで個人的にカスタマイズした学習が可能で、自己学習能力を育成するためにも、授業以外の時間に研究や課題を行うことが求められます。また、課外活動やクラブ活動に参加することも推奨されています。
一方、オーストラリアには職業訓練機関(専門学校)があり、職業教育を受けることができます。職業訓練機関は公立・州立のTAFE(テイフ)と私立の職業訓練機関の2種類に分けられ、最終的に取得できる資格は同じです。職業訓練機関では技術職を含む多くの分野で教育を提供しています。TAFEや私立の職業訓練機関(専門学校)と同様に、実践的な技術や知識が得られるDiplomaや、Advanced Diplomaのプログラムが設けられています。大学付属の1年間のファウンデーションコースで英語力と専門の基礎知識をつければ、4年間で卒業できます。
ニュージーランドの大学
教育ポイント
ニュージーランド政府は大学の質を重んじる政策を施されています。一方、ニュージーランド政府はPastoral Care of International Studentsにより、国は教育機関が留学生にすべきアドバイスや保護などの最低基準を定めて、留学生の生活を保障しています。
大学関連
ニュージーランド全土で大学(国立)8校しかなく、全8大学が世界ランキング500位以内にランクインしています。これらの大学は高い教育水準と研究施設を提供しており、幅広い学問分野において学士号、修士号、博士号などの学位プログラムを提供しています。通常3年間で学士号が取得できるが、期間は大学やコースによって異なり、医学、建築学、工学などの理系コースでは4から6年と長い傾向にあります。また、留学生向けのプログラムや奨学金制度も充実しています。
ニュージーランドの8大学
The University of Auckland/オークランド大学
AUT(Auckland University of Technology)/オークランド工科大学
University of Waikato/ワイカト大学
Massey University/マッセー大学
Victoria University of Wellington/ビクトリア大学
University of Canterbury/カンタベリー大学
Lincoln University/リンカーン大学
University of Otago/オタゴ大学
学力と英語力
学力
海外の大学へ出願する際、入試などのようなテストはございません。代わりに入学審査があり、高校(編入の場合は大学も)の成績を提出します。日本と同様に、難関大学ほど良い成績が求められるため、世界ランキング上位の大学を目指したい人は、高校(または大学)時代に、英語だけでなく、ほかの科目でもよい成績を修めておく必要があります。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリスの場合は、日本の5段階評価の成績の平均値で評価されます。オーストラリア、ニュージーランド、イギリスの場合、進学準備コースで3.0以上、大学入学で4.0以上、カナダの場合、2年制大学で3.0以上、4年制大学で4.0以上と、アメリカに比べて基準値も若干高めになっています。
アメリカの場合、学力はGPA2.0以上、4年制大学でGPA2.5以上です。
GPA算出法
日本での成績 |
5 |
4 |
3 |
2 |
1 |
A |
B |
C |
D |
E |
ポイント |
4 |
3 |
2 |
1 |
0 |
換算したポイントを合計して総単位数で割ったものがGPAになります。
※日本の大学でのGPA算出方法は海外と異なる場合があります。
英語力
海外の大学に入るには、授業についていけるだけの英語力が必要です。出願時には英語力を測る英語テストのスコア(イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの場合はIELTS、アメリカの場合はTOEFL)が必要になるので、事前に受験しておきましょう。また、海外の大学の多くは留学生の受け入れ態勢が整っており、英語テストのスコアが十分でない留学生のために、条件付き入学制度を用意しています。