ニュージーランド高校留学の体験談 | ニュージーランドでの留学を終えて

S.Yさん『ニュージーランドでの留学を終えて』

ニュージーランド　オークランドRangitoto College

私は日本の公立中学を卒業後ニュージーランドに三年間卒業留学をしました。そのため、高校受験はしていません。

中学ー年生の頃から親と留学フェアに参加し、高校生活を海外で過ごすことを考えるようになりました。私はその頃まだやりたいことが明確には決まっていませんでした。中学三年の夏頃に、もともと勉強が得意な方ではなかったので何か一つでも武器になるものがあるといいなと考え英語を武器にするために留学を決断しました。

いざ留学に行ってみると自分がいかに何もできないかを思い知りました。英語が全くわからず、授業には当然ついていけず友達もほとんどできませんでした。毎晩何でこんな目にあわなきゃいけないんだと泣いていました。しかし、帰りたいと言う気持ちにはならず自分で決めたことだし、後にもひけないのでとりあえず毎日必死に復習したり一生懸命色々な人に話しかけたりしていました。そのおかげで友達も徐々に増え、勉強の方もいいグレードが取れるようになってきました。

留学生活の最初の数か月間はもう二度と経験したくないくらい大変でした。しかし乗り越えると精神的に本当に強くなります。大変だった時はとにかく日本語でもいいから誰かと話し、話を聞いてもらうことが大切です。電話で日本の友達や親とも話しました。そこで少し励ましてもらえば、初めは孤独な留学生活をより良いものにできると思います。留学すると日本語を話すことに罪悪感を抱く人もいると思います。しかし母国語をある程度話した方が絶対に精神的に楽になり、追い込まれないのではないでしょうか。留学は長いのであまり背負いすぎないことも大切です。

楽しかったことと言えば、学校で所属していたテニスクラブでの活動です。初めは馴染めなかったり体格の差もあって負けることが多かったですが、徐々にチームメイトと打ち解け、チームとして勝利を収めたりとちょっとした青春のようなものがとても楽しかったです。

私の通っていたRangitoto Collegeはオークランドのノースショアにあり、全校生徒が3000人もいるとても大きな学校です。生徒の人数がとても多いので自分で何事も積極的に行わないといけませんでした。留学生専用のオフィスもあったので留学生の受け入れはかなりしっかりと行われています。先ほども言いましたが、人数が多い学校ですので、とても手厚いケアが欲しい人には向かない学校なのかなと個人的には思いました。私もそこまで積極的なタイプではありませんでしたが、このような環境で過ごす中で少しずつ変わっていきました。

私の留学の中でもう一つ大変だったことが進路についてです。留学を決めた時点では明確には決まっていませんでしたが、留学中に日本で海外からの患者にも対応できる看護師になりたいと思ったのです。しかし、日本の看護学部に帰国生枠がある学校はほぼありません。そのため私は11月の帰国後にたった三か月で一般受験に臨むことになりました。結果的には自分の志望する大学に合格し、無事看護師を目指せるようになりました。

帰国生枠を多く持っている外国語学部系の大学を帰国生入試を利用して受験することが帰国生には一番良い進路だと思います。しかし私のように医療系など帰国生枠のほとんどない学部を受験する場合は進路についてしっかり考えて、一般受験をするか浪人をするかなど決めたほうが良いです。やはり南半球の高校の卒業時期と日本の入学試験の時期がうまく合わず十分な準備期間をとることが難しいです。それは帰国生枠でも一般受験でも同じです。浪人期間を受験準備期間としてとらえて、万全を期した状態で一年後に受験に臨むのも一つの選択肢であると考えています。そして、私は留学前からよく親から「英語はただの道具だから、別に何か自分の核になるものを持ちなさい」とよく言われていました。何のことかその当時はよくわかりませんでしたが、その時になってやっと自分にとっては看護師という核になるものがあるうえで英語を道具として使いなさいという意味だったことを理解しました。

留学生活では英語の習得はもちろんですが、積極的に動くことの難しさや大切さなど自身の成長につながる勉強よりもより大事なことを学べると思います。どのような留学になるかは自分次第です。親に多大な学費を出してもらって行くことになるので、その分将来につながる何かを見つけ出しそれを未来につなげていけるように頑張ってください。